いつもラクアアンドシーをお引き立ていただきまして有り難うございます。
ラクアアンドシーの前身から数えると、私達の仕事はほぼ平成の時代と共にお客様に支えられありました。
平成6年に大阪市南船場に店舗をオープンしましたが、翌年1月に阪神淡路大震災、3月には地下鉄サリン事件、と世紀末を想起させるような出来事がありました。
そのような中、停滞するメンズ・ファッションは転換期でありながらも、これと言った一手が無く、私達の様な弱小でありながらも、拘った物作りをするブランドに注目が集まることになりました。ハンドメイド・イン・イタリーのクオリティーで、タイト・シルエットのスーツ、コバの張ったノルウィージャンのスクエア・トゥシューズを世の中に発表しました。高級だから保守的であったり、一生物という価値観ではなく、その時代の熱い気持ちを反映させた特別なスタイルでした。
それから20数年が経ち、ネットショッピングやblog、Instagram等の普及により、宣伝や販売方法も多岐にわたるようになり、小売店の在り方も大きく変わって来ました。難しいことが一杯です。それでも、今も私達は同じ所にとどまることなく(中身は同じです)、新しいスタイルを提案し続けています。これは一つのブランドの行為としては稀なことではないかと思います。
先日、あるお客様から「ええなぁ、この店。落ち着くし、安心してられる!」「こんな店作ろう思ても作られへん」「セレクト・ショップやったら、お金あったら作れるけどな!」と言われました。セレクト・ショップも大小ありますが、有難いお言葉でした。
昭和に育ち平成を生きてきた男が、明日からの令和の時代にどう繋げて行くか。
今まで以上に心を込めて、丁寧にやって行く以外に方法はありません。
どうぞ、これからもよろしくお願いいたします。