久々にスコットランドのシャギードッグセーターを作りました。シャギードッグとは、シェットランドセーターをアザミのトゲで引っ掻いてむく犬の様に起毛させるスコットランドに伝統的にある技法です。薄くあま目に編まれたものを、軽く膨らみのある風合いに仕上げます。
アメリカの名店の1つで、アイビーリーガー御用達である J.PRESS 社の商標であり、古くから名品として定評のある商品です。自分達の中でも幾度かのリバイバルがあり、代表の西口が在籍していた大阪の伝説的なMEN'S STORE ナカガワクロージング時代の1985年が最初のタイミングになり、当時ROBERTSON 社のDONACHIE と言うブランドで扱っていたそうです。その頃J.PRESS のシャギードッグセーターは日本国内での流通がない珍しい商品で、メールオーダーか直接アメリカのお店に行かないと手に入らないもので、まだ西口が学生の頃の70年代後半にアメリカの J.PRESS で直接買った話を聞きました。
それから2回目のリバイバルは、ARISTOCRATICO 在籍時の2000年にイタリアのピッティ買い付けのときに、幾つかのスコットランドの会社が集まって出店していたブースがあり、その中から LAURENCE J.SMITH に依頼して作ってもらいました。
そして今回2017年に3度目になりますが、70年代後半から80年代初頭の世界的なブームだったプレップ感が今また良いと思えます。ビビットな色目や軽い感じは、その当時のアイコンである ANDY WARHOL やDAVID HOCKNEY 、KEITH HARING に代表されるニューヨークのポップな空気感を彷彿させて、いつも時代の最先端の感覚に寄り添えているものだと思います。2017年の今に置き換えても気分の良いエバーグリーンなものではないでしょうか。
今回のシャギードッグセーターは、シームレスのホールガーメントタイプのボディになり、シャギードッグとしては珍しいケーブル編みでリクエストしました。80年代当時 J.PRESSのシャギードッグセーターには、プレーンな編み地とケーブル編みの両方があったそうですが、他ではほとんどプレーンな編み地のものしか見られず、自分達にとっても今回が初めての取り扱いになります。ケーブルの編み地の柄がシームレスで編まれることにより、肩や見頃で柄が分断されることなく軽く柔らかい雰囲気が表現できています。 ¥24,000
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