いつもラクアアンドシーをお引き立ていただきまして有り難うございます。
「ウインザーノットについてどう思いますか?」と先日お客さんに聞かれました。
私のネクタイ歴も30年以上になりますが、未だかつてウインザーノットで締めたことが一度もありません。
どちらかと言うと、これは偏見ですが、冴えないものとさえ感じていたからです。
それは働き出した頃、上司の襟元に収まるホームベース型の、その結び目がカッコ良く感じられなかったのかも知れません。学生時代に親しんだボタンダウンのシャツには絶対にシングルノットでしたし。
ネクタイの結び方の流行も、その時代のファッションの流れによって変わります。
靴下が見えないスーツの着こなしが登場する時代に、若いお店を中心にウインザーノットが流行るはずもなく、そのお客さんも、何軒かのショップで話をしてもかみ合わなかった、と言っていました。
かと言って、ウインザーノット以外ノットに非ず!的な考え方も現代的でないような気がします。
そこで、自然な感じでウインザーノットを着こなしに取り入れたい、とのお客さんの言葉が引っかかっていたので、今回のディスプレイ、この一体をウインザーノットにしてみました。
ラクアアンドシーのネクタイはボトルネックの型紙を用いているので、結び目にくる部分はやや細く、ガッとした迫力は出ていませんが・・・
シャツはやや長めのレギュラーカラーが合うなぁ、とかピンク色の濃さが70年代ぽいよなぁ、と一人で納得しています。
今回はお客さんとのネクタイの話を取り上げましたが、そうしたちょっとしたコダワリや、悩み?を持つ人は意外と多いように思います。
それは、誰もがファッションの王道を歩いて来たわけではないから。
昔は○○ブランドが最高!と思っていたけど、どう思いますか?
若い頃から一度もジーパンはいたことないけど、どうはいたら良いの?などなど聞かれます。
人にファッションの歴史あり!何でも気軽に尋ねてください。
そういう話しができる店でありたいと、いつも思っています。
ラクアアンドシーはいつもテイストをはっきりと主張していますが、それは排他的な意味でなく、そこから奥深さを感じ取ってもらうためです。
皆さん一人ひとりが歩んでこられたファッションの道を、さらに進まれる時のお役に立てれば嬉しいです。